映画「キック・アス」

キック・アス

「キック・アス」とは

映画「キック・アス」はマーク・ミラーとジョン・ロミータ・Jrによる同名コミックを原作とした、スーパーヒーロー映画です。バットマンやアイアンマン、スパイダーマンといったいわゆるアメコミヒーローとは違い、特殊能力も体力もないオタクの少年が、インターネットで買ったコスチュームを身につけて悪と戦う「キック・アス」として活躍するという物語です。その等身大のヒーローという設定が話題となり、日本でもコアな映画ファンの間で人気となりました。原作者のマーク・ミラーは人気コミック作家としても知られており、映画「ウォンテッド」の原作者でもあります。ミラーはかつてグラスゴーの自警団員になろうと思っていた自信の体験をもとに「キック・アス」の原型となるアイディアを思いついたのだそうです。その時から映画化を考えており、本作の脚本執筆と原作コミックの刊行を同時に行ったのだそうです。制作は俳優ブラッド・ピットが代表を務める「プランBエンターテインメント」です。

ストーリー

デイヴ・リゼウスキは、アメリカン・コミックのスーパーヒーローに憧れるごく普通のオタクの少年でした。体力も無く、女の子にもモテない彼は、密かに憧れてい同級生・ケイティの姿を眺めては一喜一憂する毎日でした。そんなある日、デイヴは不良たちに絡まれカツアゲされてしまいます。何も出来ない自分や、見て見ぬ振りをする周りの人間たちに苛立つデイブは、なぜ誰もヒーローになろうとしないのだろうと疑問に思います。誰もならないのなら自分がなってやると、デイブはインターネットでスーツを買い、ヒーロー活動を開始します。しかし、何の特殊能力もなく、訓練もしていない彼はあっさりと暴漢に刺され、さらには車に轢かれて救急車で運ばれる羽目に陥ります。その時にコスチュームを隠すために裸になってしまい、ゲイ疑惑が浮上してしまいます。しかし、それをきっかけにケイティと急接近することに成功するのでした。その後も懲りずにヒーロー活動を続けるデイヴは依頼された「猫探し」の最中、3人組のギャングに襲われている男性を発見します。すぐに救出に向かいますが多勢に無勢。あっさりとやられてしまいます。しかしデイヴは諦めず、何度倒されても立ち向かい、なんとかギャングを倒すことに成功するのでした。その様子を見ていた人から名前を尋ねられたデイヴは咄嗟に「キック・アス」と名乗ります。このときに撮影されていた動画がYoutubeに公開され、キック・アスは一躍有名人に。デイヴはキック・アス名義のMySpaceアカウントを取得します。ある日、ケイティが麻薬の売人に脅され悩んでいることを知り、デイヴはキック・アスに相談するように助言します。早速連絡を受けた彼は、その売人がいるアパートに乗り込みます。しかしあっという間に取り押さえられ、大ピンチに。そんな時、同じようにヒーローのコスチュームを着た少女「ヒット・ガール」が現れ、瞬く間に売人たちを殺していきます。さらに彼女の父「ビッグ・ダディ」も登場し、形勢は逆転。危機一髪のところで助けられたキック・アスは、ビッグ・ダディとヒット・ガールに自分たちの仲間になるよう説得されます。ダディは自分を陥れ、妻を自殺に追いこんだフランク・ダミーコ率いる犯罪組織を壊滅させるため、娘のミンディに戦闘技術を叩き込み、親子でヒーローとして活動しながらダミーコの配下の売人たちを次々に殺していたのでした。そして後日、売人たちを全滅させたのはキック・アスであると勘違いしたダミーコは、彼の抹殺を計画します。ダミーコの息子・クリスは、自分が「レッド・ミスト」というヒーローに成りすまし、キック・アスをおびき寄せる作戦を思いつきます。レッド・ミストに呼び出されたデイヴは何も知らぬまま彼について、手下によって待ち伏せされている工場へ向かいます。工場へ着くと、レッド・ミストの手下たちは皆倒されていました。既にビッグ・ダディが倒した後だったのです。レッド・ミストは、すぐさまダミーゴにダディの存在を知らせます。一方デイヴは、精神的に疲弊してしまい、ケイティに自分がキック・アスであると打ち明けてしまいます。しかしそれがきっかけで2人は恋人同士に。ケイティのためにキック・アスを引退することを決意したデイヴでしたが、またもレッド・ミストに騙されてビッグ・ダディの隠れ家に案内してしまいます。レッド・ミストはビッグ・ダディとデイヴを拘束し生中継で公開処刑に踏み切ります。そこへヒット・ガールが現れ、手下を一掃しデイヴを救出しますが、一足遅く、ダディは殺害された後でした。デイヴを攻めるヒット・ガールでしたが、父の目的を果たすことを誓い、ダミーコの隠れ家へ乗り込むことを決意します。単身ダミーコのあじとへ乗り込み、手下を次々に倒していくヒット・ガール。ですがあと少しというところで弾切れになってしまい、ピンチに陥ります。そこへガトリング砲を携えたキック・アスが現れ、手下を一掃しヒット・ガールの危機を救います。ついにダミーコの元へたどり着いた2人。ヒット・ガールはダミーコと、キック・アスはレッド・ミストと戦うことに。激戦を繰りひろげるキック・アスとレッド・ミストですが、両者とも気絶してしまいます。一方ヒット・ガールは、その鍛えられた戦闘能力で健闘しますが、ダミーコの方が一枚上手で、追いつめられてしまいます。ヒット・ガールに銃口を向けるダミーコ。その時、意識を取り戻したキック・アスがバズーカ砲でダミーコを吹き飛ばし、ダミーコは空中で爆死するのでした。遅れて目を覚ましたレッド・ミストを交わし、キック・アスとヒット・ガールは去っていくのでした。

キャスト

  • キック・アス(デイヴ・リゼウスキ)・・・アーロン・ジョンソン
  • ヒット・ガール(ミンディ・マクレイディ)・・・クロエ・グレース・モレッツ
  • レッド・ミスト(クリス・ダミーコ)・・・クリストファー・ミンツ=プラッセ
  • ビッグ・ダディ(デイモン・マクレイディ)・・・ニコラス・ケイジ
  • フランク・ダミーゴ・・・マーク・ストロング
  • ケイティ・ドーマ・・・リンジー・フォンセカ
  • ヴィック・ジガンテ・・・ザンダー・バークレー
  • ビッグ・ジョー・・・マイケル・リスポリ
  • マーカス・ウィリアムズ巡査部長・・・オマリ・ハードウィック
  • マーティ・・・クラーク・デューク
  • トッド・・・エヴァン・ピーターズ
  • アンジー・ダミーコ・・・ヤンシー・バトラー
  • ロビー・グーン・・・ジェイソン・フレミング
  • アリス・リゼウスキ・・・エリザベス・マクガヴァン
  • デイヴの父・・・ギャレット・M・ブラウン
  • エリカ・・・ソフィー・ウー
  • コディ・・・デクスター・フレッチャー
  • トレ・フェルナンデス・・・ランダル・ベイティンコフ
  • クレイグ・ファーガソン・・・クレイグ・ファーガソン(本人役)
  • ラズール・・・コフィー・ナーティ
  • ステュー・・・ステュー・ライリー
  • ポスター・・・クラウディア・シファー
  • ギャング・キッド1・・・ジョニー・ホプキンス
  • ギャング・キッド2・・・オーヘン・コーネリアス

スタッフ

  • 監督・・・マシュー・ヴォーン
  • 脚本・・・ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
  • 原作・・・マーク・ミラー、ジョン・ロミータ・Jr
  • 製作・・・アダム・ボーリング、マシュー・ヴォーン、ターキン・パック、ブラッド・ピット、デヴィッド・リード、クリス・サイキエル
  • 製作総指揮・・・ジェレミー・クライナー、スティーヴン・マークス、マーク・ミラー、ジョン・ロミータ・Jr
  • 音楽・・・ジョン・マーフィ、ヘンリー・ジャックマン、マリウス・デ・ヴリーズ、アイラン・エシュケリ
  • 撮影・・・ベン・デイヴィス
  • 編集・・・ピエトロ・スカリア、ジョン・ハリス、エディ・ハミルトン
  • 製作会社・・・マーヴ・フィルムズ、プランBエンターテインメント
  • 配給・・・アメリカ:ライオンズゲート、日本:カルチュア・パブリッシャーズ

受賞とノミネート

英国インディペンデント映画賞

  • 作品賞ノミネート
  • 監督賞ノミネート・・・マシュー・ヴォーン
  • 脚本賞ノミネート・・・ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン

ピープルズ・チョイス・アワード

  • アクション映画賞ノミネート

放送映画批評家協会賞

  • アクション映画賞ノミネート
  • 若手俳優賞ノミネート・・・クロエ・グレース・モレッツ

デトロイト映画批評家協会賞

  • ブレイクスルー演技賞ノミネート・・・クロエ・グレース・モレッツ

ヒューストン映画批評家協会賞

  • 作品賞ノミネート

セントルイス映画批評家協会賞

  • 視覚効果賞ノミネート
  • Moving the Medium Forwardノミネート

フェニックス映画批評家協会賞

  • 助演女優賞ノミネート・・・クロエ・グレース・モレッツ
  • ブレイクスルー演技賞受賞・・・クロエ・グレース・モレッツ
  • 若手女優賞ノミネート・・・クロエ・グレース・モレッツ
  • スタント賞ノミネート

リチャード・アッテンボロー映画賞

  • ライジングスター賞受賞・・・クロエ・グレース・モレッツ

製作

監督のヴォーンはまずソニーと契約して製作費を捻出しようとしました。しかし、バイオレンス描写を弱めるよう要求されたため断念。その後、他のスタジオも興味を示しますが、キャラクター設定の変更を求められた為これも断念しました。最終的にヴォーンが自分で製作費を調達し、自主映画となりました。撮影はカナダやイギリスで行われ、そのイギリスで2010年3月26日、世界最速公開されました。日本ではまず、2010年9月16日に行われた第3回したまちコメディ映画祭in台東の「映画秘宝まつり」内で限定公開され、2010年12月18日に渋谷、川崎、梅田、静岡の4劇場から一般公開が開始されました。北米では公開週末3日間で19828687ドルを稼ぐ大ヒットとなり、2週目の「ヒックとドラゴン」を僅かに上回って初登場1位となりました。

感想

この映画は他の映画を見に行った際に予告編を見て気になっていた作品でした。ネットで買った安物のタイツに身を包んだオタクの少年が主人公という設定で、それだけでも面白そうと思っていたのですが、私の大好きな俳優ニコラス・ケイジが出演していると知り、これは観なければ!と喜び勇んで映画館に行ったのですが、どの映画館も本数が少ない!そして公開館数自体も少ないためか、非常に混んでいました。世のシネコンはハリウッド大作に埋もれているこういった小規模作品をもっと上映すべきですね。さて、映画はといいますと、期待通りの楽しいB級作品(ほめ言葉)でした。なによりもクロエ・グレース・モレッツ演じるヒット・ガールが本当にキュートで、女の私ですらハートを鷲づかみにされてしまったので、映画ファンの男性はもうメロメロだったのではないでしょうか。この作品は随所に名作映画へのオマージュ(というかパロディ)が観られ、映画ファンを楽しませてくれるのも特徴です。とはいえそんなのが分からなくても楽しめる新しい「アメコミヒーローもの」になっています。続編もそろそろ公開されるので、今から楽しみです!